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今週の気持ち

今週の気持ちは「マヨネーズ」

 「女・男の気持ち」(2020年6月18~24日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版6月21日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

マヨネーズ 相模原市緑区・賀川八重子さん(主婦・89歳)

 戦後の食糧難は大変でした。トウモロコシの粉、豆かす、ふすまなど食べられるものはすべて、工夫して食べました。主食はサツマイモで、「今日はご飯だよ」の母の声に喜んで食卓につくと、サツマイモをさいの目に切った中にご飯粒が少し見えるだけでした。サツマイモだらけでしたが、食べられるだけ幸福でした。

 調理師だった父は、ある日手元にある材料で工夫してマヨネーズらしきものを作り、イモサラダにして食卓に出してくれました。そのおいしかったこと。89歳になる私の舌が、味をしっかり覚えているのです。

 その主食のサツマイモさえ、手に入れることは困難でした。2人の姉が地方の農家に行って手に入れたサツマイモは、役人たちに没収されました。空のリュックサックを姉が背負って帰ってきたとき、がっかりしたことを覚えています。

 戦後75年。お金さえあれば何でも手に入る時代ですが、スーパーで買ってきたマヨネーズに、父の手作りの味がよみがえるのです。不思議ですね。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 子どもにとって日常は、世界のすべて。賀川さんのように戦中戦後に子どもだった方の暮らし、特に食にまつわる体験は戦争の記憶そのものです。令和の時代に最新技術で作られたマヨネーズと、当時のお父さんの手作りマヨネーズの味が重なる……賀川さんの歩んでいらした道のりと、お父さんへの思いが伝わる投稿で、父の日の掲載とさせていただきました。

 戦中戦後の体験談は「女・男の気持ち」では定番のテーマです。ただ、こうした体験をつづることができる方は、確実に減っています。今年は戦後75年。今週は沖縄慰霊の日もありましたが、本欄は夏に限らず1年中、折に触れて先輩方の投稿を取り上げ、戦争に対する「気持ち」を後の世代に伝えていきたいと考えています。

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