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大阪人権博物館の35年/3 差別資料を展示する意義 負の歴史、気づきの場 /大阪

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大阪人権博物館で何度も展示された差別戒名墓石=同館提供
大阪人権博物館で何度も展示された差別戒名墓石=同館提供

生き方の見直しも生む

 1985年の大阪人権博物館の前身施設の開館にあたり、俳優の故・三国連太郎氏は「白日のもとに闇があった」と題する文章を同館に寄せた。誰もが同じ人間と考えない無分別が社会に闇を作り、差別もそこにあるとの考えを示し、次の文章が続く。

 「日本の『正史』と呼ばれるものには多々にして『陥穽(おとしあな)』がありそうで、率直に信じられない記述があります(中略)今日徐々にではありますが、発見されつつある生活資料には、如実に不自由民の実態を明らかにしてくれるものがあります」

 例えば、同館は「差別戒名墓石」を何度も展示してきた。死後に名付けられる仏教徒名が戒名だが、差別的な一部の僧侶は、被差別身分の人たちの戒名に「賎」や「卑」などの差別語を交ぜ入れた。この墓石を見ると、死後も差別された人がいたことや、その墓に手を合わせる家族があったことが胸に迫る。

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