人種差別、奴隷・搾取の歴史…広がる抗議、ぼやける目標 米黒人男性暴行死1カ月

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
警察の改革や予算削減を求めて市庁舎前で座り込む抗議運動の参加者たち=米ニューヨークで2020年6月25日、隅俊之撮影
警察の改革や予算削減を求めて市庁舎前で座り込む抗議運動の参加者たち=米ニューヨークで2020年6月25日、隅俊之撮影

 米中西部ミネソタ州で白人警官が黒人男性を窒息死させてから25日で1カ月を迎え、米国内では人種差別の解消を求める動きが広がっている。フロイドさんの死に端を発した全米の抗議デモは、米社会に残る「構造的な差別」の根絶を訴える運動に拡大した。さらには、黒人奴隷制度と先住民からの搾取のうえに繁栄を遂げた米国の歴史そのものを見つめ直す議論にまで波及し、混迷の度を増している。

 米国では今も教育や就職の機会、住環境、融資など社会のさまざまな場面で人種間の差別が存在し、貧富や健康状態の格差の要因となっている。新型コロナウイルスの影響で4500万人超が職を失い、黒人のみならず多くの人が不平等への怒りを共有している。FOXニュースが今月13~16日に実施した世論調査では、抗議デモに参加したと答えた人は18%。米国民の5人に1人が運動に関わった計算だ。

 差別反対を訴える「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」をスローガンにした抗議運動は、さまざまな変化を生んだ。米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンは、多様な肌の色に合わせたばんそうこう「バンドエイド」を販売すると発表。米動画配信サービスでは、人種差別的な表現が含まれているとして映画「風と共に去りぬ」の配信が一時停止されて、歴史的背景などの説明が新たに加えられた。

 ただし、あらゆる人種や世代、社会階層の人々が参加することで、逆に運動の主張や目標が不明瞭になった面がある。西部ワシントン州シアトルでは今月に入り、警察廃…

この記事は有料記事です。

残り600文字(全文1237文字)

あわせて読みたい

ニュース特集