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奄美・中1自殺 第三者委の委員長が住民説明会へ 「市教委の対策は不十分」

自らが委員長を務めた第三者委員会が作成した報告書を手元に置き、再発防止への思いを語る鹿児島大の元教授、内沢達さん=鹿児島市で6月17日、樋口岳大撮影

 2015年に鹿児島県奄美市立中1年だった男子生徒(当時13歳)が担任の指導後に自殺した問題で調査報告書をまとめた第三者委員会の委員長らが、市教委が示した再発防止策が「不十分」として29日、奄美市で住民向け説明会と記者会見を開く。市設置の第三者委の委員長経験者が、再発防止を巡る市教委の姿勢に異議を唱えて説明会を開くのは極めて異例だ。

 出席するのは、委員長を務めた鹿児島大の元教授、内沢達(たつし)さん(73)と副委員長だった柳優香弁護士(福岡県弁護士会)で、生徒の父も同席する。

 18年12月、内沢さんら第三者委がまとめた報告書では「男子生徒が同級生に嫌がらせをした」と思い込んだ担任の男性教諭が不適切な指導や家庭訪問をしたことで生徒は追い詰められ、命を絶ったと結論づけた。さらに、第三者委は報告書で学校や市教委に対し「この事実を真摯(しんし)に受け止め、当事者の立場で主体的に検証すること」を再発防止策の第一歩として求めた。

 しかし、市教委が20年5月に示した「再発防止ハンドブック」は、内沢さんらにとって、生徒を追い詰めた過程や背景を十分顧みて指導や学校、市教委の対応の問題点を具体的に検証したと思えるものではなかった。遺族は同6月に「息子の死を教訓にしていない」とする意見書を市教委に提出。内沢さんも報告書作成直後から再発防止策を共に探ろうと教育長らに何度も面会を申し込んできたが、教育長らは応じなかった。

 内沢さんは説明会で「市民に事実を知ってもらい、再発防止とは何かを共に考えたい」と話す。説明会は29日午後6時半~8時半、奄美市名瀬末広町の「AiAiひろば」で、誰でも自由に参加できる。

 市教委の末吉正承(まさつぐ)・学校教育課長は取材に「(市教委が設置した)再発防止対策検討委の中でハンドブックの趣旨をしっかりと説明していきたい」と答えた。【樋口岳大】

 担任の指導後に中学生が自殺した問題で調査報告書をまとめた第三者委員会の委員長らが「真実を知ってほしい」と異例の住民説明会を開くことになった。委員長は、鹿児島大の元教授、内沢達さん(73)。内沢さんは、2015年に鹿児島県奄美市立中1年だった男子生徒(当時13歳)が自殺した問題に向き合った。内沢さんが報告書を作成してから約1年半が経過した今、なぜ住民向けの説明会を開こうと決意したのか。これまでの経緯を振り返り、現在の心境を聞いた。

 「なぜ男子生徒が亡くならなければなら…

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