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社説

苦境の文化芸術 実態に即した支援息長く

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 新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた文化芸術分野に、国の支援が拡充される。第2次補正予算で、年間の文化予算額の半分にあたる約560億円が計上された。

 政府のイベント自粛要請で、コンサートや演劇公演は軒並み延期や中止となった。

 経済産業省の持続化給付金はあるが、業界を支える俳優や演奏家、スタッフなどのフリーランスには支援が届きにくく、使い勝手の悪さが指摘されていた。口頭の契約であるなど、収入半減の証明が困難な場合が多いからだ。

 このため今回は、活動自粛を余儀なくされていたプロのフリーランスや20人以下の小規模団体への支援を手厚くした。

 文化庁が示した骨子案では、音楽や演劇、演芸のほか、美術や書道、碁・将棋、大道芸なども対象となる可能性がある。手続きや審査も簡素化したと説明する。

 だが、課題は残る。

 支援は、稽古(けいこ)や演目に関する資料購入など、公演に向けた活動を後押しするものだ。動画収録や配信などの取り組みを積極的に行えば、最大150万円の支援が受けられる。

 ただし、かかった経費への支援にとどまり、それも全額がカバーされるわけではない。

 数カ月にわたって収入源が途絶えたままで、活動するための経済的な体力がほとんどないケースも多い。要望していた給付金にはほど遠い。

 申請が2月末にさかのぼってできるのは評価できる。しかし、支援の仕組みが実態に即しているかは疑問だ。

 劇場や映画館は再開へ動き出したが、感染症対策のガイドラインに従って「3密」を避けるため、客席を大幅に減らしている。同時に映像をオンライン配信する試みも広がるが、採算面は厳しい。

 外出自粛は解除されたが、観客の警戒心は解けていない。安心して劇場や映画館に足を運ぶことができる環境整備も必要だ。

 文化芸術は生活を潤し、豊かな感性を養う。社会に不可欠だ。

 今後、感染の第2波が来る可能性もある。次代を担う若手が道をあきらめることのないよう、息の長い支援を検討すべきだ。

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