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中村桂子・評 『治したくない ひがし町診療所の日々』=斉藤道雄・著

『治したくない ひがし町診療所の日々』

 (みすず書房・2420円)

患者の上に立たない医療

 北海道浦河町に「浦河ひがし町診療所」が開かれたのは二〇一四年のことだ。精神障害やアルコール依存症などの人のための小さなクリニックであり、看板を立てるなら精神科となるのだろう。ところがこのクリニック、なんだかおかしいのである。なんだかおかしい精神科と書くと、失礼と思われそうだ。お断りしておくが、決して失礼なことを言うつもりはない。そのおかしさに強烈な魅力を感じての紹介なのである。

 クリニックの主は川村敏明先生。開業までは浦河日赤の精神科の医師だったのだが、経営コンサルタントによってそこの廃止案が出されたのである。実は川村先生は二〇〇六年からソーシャルワーカーと協力して長期入院患者の退院支援に挑み、四年後には驚くほどの患者が退院した。今日本の精神科で大きな課題になっている数十年もの入院患者を、家で暮らせるようにしたのだ。その結果、高齢者を集めてベッドを埋めるか、精神科を廃止…

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