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社説

供給網の強化 危機対応は多様な経路で

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 政府は、国内に工場を整備する企業に補助金を出し、生産拠点の国内回帰を促そうとしている。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、グローバルなサプライチェーン(供給網)が寸断されたことを踏まえた対応だ。

 最初に感染が広がった中国からの供給が滞ると、日本でも幅広い分野で品不足が生じた。このため、医療物資を中心に、自給できる体制を求める声が出ている。

 ただ、国内にも地震や風水害といったリスクがある。供給網の見直しは、慎重に検討すべきだ。

 日用使いのマスクはある程度輸入に委ね、医療機関向けの高機能製品は国内生産を増やすといった対応が求められよう。

 コストが高い国内で生産を維持するには、政府が企業から一定量を買い取って経営を支え、備蓄に回すといった対策も必要だ。税金を投じることになるため、国民の理解が欠かせない。

 医療物資にとどまらず、コロナ禍は日本企業の供給網の弱点を浮き彫りにした。電機製品や自動車の部品・原材料を中国からの輸入に頼るため、中国で生産が止まると、国内工場も停止した。

 中国には、消費地としての魅力や、多くの企業が事業所を置く産業集積の強みがある。今後も重要な拠点であり続けるだろう。

 一方で、ハイテク分野を中心に米中対立が激化し、中国に輸出拠点を集中させたり、中国企業との取引に依存したりすることへの懸念も指摘されていた。コロナ禍でリスクが増幅する可能性がある。

 効率的で、危機にも強い供給網の構築が急務だ。それには、中国に足場を置きつつ、調達経路の多様化を図ることが求められる。既に日本企業は、東南アジアで投資を増やしている。今後はこうした動きが強まるだろう。

 政府には、国際的な連携を強化してもらいたい。緊急時に多国間で物資を融通し合う協定を結んだり、在庫や生産量の情報を共有したりする枠組みがあれば、保護主義の防波堤にもなる。

 重要なのは、危機が起きても臨機応変に対応し、短期間で回復できるしなやかさを持つことだ。

 コロナ禍で顕在化した生産や物流の課題を分析し、多様な選択肢を用意しておく必要がある。

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