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社説

トランプ氏の同盟観 米国の利益も損ねている

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 米軍に守ってほしければカネを払えと迫る、払えないなら防衛協力から手を引くと脅す、米欧日の枠組みを時代遅れとなじる――。

 同盟国に対するトランプ米大統領の最近の言動である。こうした態度で同盟が強くなるだろうか。そんな懸念が膨らむばかりだ。

 ドイツには「米国は守っているのに彼らは怠けている。割に合わない」と不満を示し、駐留米軍の一部撤収を表明した。

 米欧日の主要7カ国(G7)首脳会議は「世界の現状に合っていない」と切り捨て、ロシアを含めるのが「常識だ」と述べた。

 いずれも欧州側が猛反発し、米欧関係は険悪になっている。

 日本も例外ではない。ボルトン前大統領補佐官の回顧録によれば、昨年、在日米軍の経費負担を4倍の約8500億円にするよう日本側に伝えたという。トランプ氏の意向を踏まえた打診だった。

 かねて報道されていた内容を裏付けたものだが、驚くのはトランプ氏の交渉戦術だ。「すべての米軍を撤収させると(日本を)脅す」と内々で漏らしていたという。

 事実ならとんでもない。同盟国ではなく敵対国を相手にしているかのような発言ではないか。

 安倍晋三首相と親密な関係といわれるトランプ氏だが、一皮むけば、対日姿勢でも実利を優先する本音があらわだ。

 そんな本音は11月の大統領選が近づくにつれ、露骨さを増す。回顧録には、トランプ氏が再選できるよう中国の習近平国家主席に農産物の購入を頼む場面がある。

 表では激烈な貿易戦争を仕掛けながら裏ではすり寄る。同盟国の不信を招いて当然の振る舞いだ。

 戦後、欧州やアジアに広げてきた同盟ネットワークは、米国が世界に影響力を行使し、安定した秩序を構築する基盤となってきた。

 ドイツの米軍はロシアに対する抑止力となり、日本の米軍は中国をけん制する役割を担う。米国にとって重要な拠点である。

 ところが、トランプ氏は同盟を共通の利益で結びつく資産とはみなさず、米国ばかりにのしかかる不公平な負債と感じている。

 同盟は米国を守るための存在でもある。同盟の結束が緩めば、米国の利益も損なう。トランプ氏はそれを自覚すべきだ。

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