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書の美 文字絵渡唐天神像 闊達な筆致で略画風に=島谷弘幸

 天神、すなわち学問の神様として篤(あつ)い信仰を集めている菅原道真の画像であるが、これは、道服(中国の道士の服装)を着た姿で描かれている。道真が夢で中国・宋に渡り、径山(きんざん)の無準師範(ぶじゅんしはん)に相まみえ、印可を受けた、という話である。この時に「からころも/をらできたのゝ/神ぞとは/袖にもちたる/梅にても/しれ」の和歌を詠んだという。道真には渡唐の経験もなく無準の時代とも合わないが、道真崇拝が禅僧の世界にも広がりを見せ、道服の天神像が描かれ、信仰の対象となっていった。

 この書風から一見して近衛信尹(のぶただ)(1565~1614年)の書と明らかである。彼は、五摂家の筆頭・近衛家という名門の出自で、近世初期に活躍した公卿(くぎょう)である。元服の際に内大臣の織田信長より加冠され、諱(いみな)の1字を与えられ信尹と名乗った。豊臣秀吉の朝鮮出兵に際して、肥前名護屋まで下向して従軍渡海を希望したが叶(かな)わなかった。この公卿にあるまじき型破りな行動で、信尹は後陽成天…

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