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アートの扉

発見!お宝 広島県立美術館編/6止 刺繡袋 心込めた手仕事の技

ウズベク人 ラカイ 20世紀初頭 左縦12・6センチ、横5・6センチ 右縦11・5センチ、横13・5センチ 広島県立美術館蔵

 中央アジアの人々のルーツと風貌が変化に富む中で、ラカイの人々の顔立ちは日本人に近い。ウズベク人はいくつもの支族に分かれ、ラカイ族もそのひとつである。

 この地域では大小の刺繡(ししゅう)の袋が作られ、懐に入れたり、帯にさげたりして愛用されてきた。袋に入れるのは、茶葉、嗅ぎたばこ、お金、宝石、イスラム教の聖典コーラン、鏡、化粧用具などさまざま。この袋は口が小さく、ウスマというアイラインを引くための化粧品や爪楊枝(つまようじ)、耳かきといった化粧用具を入れて身体にさげたり、部屋の片隅にかけたりして使われたと想像できる。クロスステッチの絹刺繡で袋の両面を幾何学文で埋め尽くし、赤や黄、緑や黒のタッセルが賑(にぎ)やかに揺れ、小さい方の袋には羊の角を浮き彫りした銀板が縫いつけられている。

 かつて、男たちは茶葉を入れた刺繡の袋を懐に入れて持ち歩いた。チャイハナ(茶店)では、湯呑(の)みとティーポットに熱湯だけを提供したからだ。お茶は緑茶と紅茶があり、緑茶はほうじ茶のような風味、紅茶はそのままか少し砂糖を加えて飲む。ラカイの食べものといえば、お茶にバターと牛乳と塩を入れたシルチョイ(ミルクティーの意)にパンのかけらを浸(つ)けて食す。

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