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寄稿

追悼・鍾肇政さん 台湾文学の大地耕す=下村作次郎(天理大学名誉教授・清華大学台湾文学研究所客員教授)

書斎での鍾肇政さん=1979年撮影(鍾延威氏提供)

 新型コロナウイルスが世界を席巻し、台湾の防疫対策が世界の注目を浴びるなかで2人の文学者が亡くなった。詩人の趙天儀さんが4月29日に85歳で、小説家の鍾肇政(しょうちょうせい)さんが5月16日に95歳で亡くなった。趙天儀さんは、1974年に台湾大学で起こった哲学系事件(哲学学科の自由派の教授たちを解雇した冤罪(えんざい)事件)で、一時、台大を追われた大学教授であった。一方の鍾肇政さんは、台湾を代表する名高い台湾文学者であり、この2月23日に台湾文学研究者の陳芳明さんと一緒にお会いしたばかりだった。

 台湾文学は実は、日本植民地時代は日本文学の一環とされ、戦後の中華民国時代には中国文学の一環としての存在を余儀なくされてきた。台湾では、87年7月に戒厳令が解除されたが、この後、90年代に入ってようやく「台湾文学」という呼称は正式のものとなり、大学には台湾文学学科や博士課程まで創設された。そんな台湾文学界を、鍾肇政さんは『台湾文学史綱』を書いた葉石濤さんと先頭に立って歩んでこられた。

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