メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ミサイル防衛の歩み

イージス代替の「敵基地攻撃」は有効か? カギ握る安全保障の新領域

防衛省=東京都新宿区で、小川昌宏撮影

 自民党は30日、「敵基地攻撃能力」を日本が保有するか否かの議論を始める。政府は陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備を断念。代替策として焦点が当たる敵基地攻撃は有効なのか。今後、日本のミサイル防衛はどこへ向かうのか。【秋山信一】

 政府が今回、イージス・アショアの配備を断念したことで、地上配備型の終末高高度防衛(THAAD)ミサイルの導入やイージス艦増隻が再び議論される可能性はある。THAADは現状の「2段構え」の中間にある空域で敵ミサイルを迎撃するため、「3段構え」にできるという強みがある。しかし、サウジアラビアが米国と契約した7基分の総額は150億ドル(約1兆6000億円)。日本の年間の装備品購入費は過去のローン払いを含めて年間1兆円程度で、次期戦闘機の開発などが控える中で、新たに日本全土を防御する6基分を賄うのは現実的とは言えない。

 防衛省はイージス・アショアに使う予定だったレーダーやイージスシステムをイージス艦に転用することで「無駄金」を減らすことも模索しているようだ。こちらの方が現実味があるが、増隻しても常時監視体制や海上自衛隊の負担軽減という課題は残りそうだ。

 従来の発想とは別の方法でミサイル防衛の抑止力強化を図る選択肢もある。米軍はミサイル防衛について、①積極防衛=「SM3」などによる敵ミサイル迎撃②受動防衛=防衛装備の分散配置、避難シェルター設置など③攻撃作戦=敵ミサイル発射機の破壊――の三つに区別している。まずは①で被害が出ないように努め、難しければ②で被害を軽減し、最終手段として③で攻撃力を使うという発想だ。

 日本の今回の議論に当てはめると、①の選択肢はイージス艦増隻が有力だろうが、これでは根本的強化とは言えない。そこで②や③を強化するという議論が出てくるだろう。②については自衛隊の人員・装備の分散配置を進めるほか、民間の避難シェルターの整備なども論点になるかもしれない。そして、③で出てくるのが「敵基地攻撃能力」の議論だ。

 政府は憲法解釈上、敵基地攻撃は可能としているが、「専守防衛」に反するのではないかという反対論も根強い。こうした長年の議論とは別に、そもそも固定した発射基地から敵のミサイルが発射されることを前提にした「敵基地攻撃」という言葉が時代遅れになっている。

 現代のミサイルの脅威は…

この記事は有料記事です。

残り973文字(全文1954文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 福岡・大濠公園にイノシシ 警官ら大捕物、逃走後「御用」に

  2. 芸能人のPCR検査早い理由「今後番組で話します」 志らくさんが陰性報告

  3. うがい薬でコロナ重症化抑制? 大阪知事が使用呼びかけ 専門家は懸念「害になりかねない」

  4. 吉村知事「うそみたいな本当の話」 うがい薬の使用呼びかけ、主な一問一答

  5. 緊急事態、愛知県が独自宣言 6~24日 不要不急の県境移動自粛を要請

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです