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都知事選を見に行く

コロナ禍が収束しない中で、東京都知事選がスタートしました。感染の恐れや経済の落ち込みなど、都民の不安や苦しみは続いています。有権者の声を受け止め、明るい未来を築く候補は一体誰でしょうか。記者たちが主な候補の訴えを聞き、現場で見て感じたものをリポートします。

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「キャッチフレーズだけの政治は終わり」 浸透するか、小野泰輔氏

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東京都知事選が告示され、支持を訴える小野泰輔氏=東京都新宿区で2020年6月18日午前11時4分、幾島健太郎撮影
東京都知事選が告示され、支持を訴える小野泰輔氏=東京都新宿区で2020年6月18日午前11時4分、幾島健太郎撮影

 「この人、誰?」と思った都民は多いはずだ。都知事選に立候補した小野泰輔氏(46)=日本維新の会推薦=のことだ。熊本県副知事という要職をなげうっての出馬で、しかも政党に推されたわけではなく、一人で決断したという。なかなかできることではないだろう。人柄は? 訴えたいことは? 選挙戦から見えてきた素顔とは――。【生野由佳/統合デジタル取材センター】

「キャッチコピーを叫ぶ政治はいらない」

 告示日の第一声は、新宿・歌舞伎町だった。選挙カーの上でマイクを握った小野氏。白色の半袖シャツに白色のズボンといういでたち。後で聞くと、身長は178センチ。なかなかの長身だ。爽やかなイメージで売る作戦かもしれない。

 「小池(百合子)都政、キャッチフレーズで耳に心地よいことを言って、4年前に大旋風を起こしました。しかし4年たって成果が出たのでしょうか。ほとんど出ていない。ペットの殺処分(ゼロ)だけなんですね」

 丁寧で淡々とした語り口だが、都政への批判は手厳しい。さらに「感染者の抑え込みが一番うまくいっていないのが東京」「経済を最重視して復活をさせる。そういう体制ができていないのだと思います」と続ける。

 「熊本で地方行政をやっていて、東京に若者がどんどん流出してしまう。これをなんとか止めないと、日本は沈んでしまう」。副知事を務めた危機感がにじみ出ていた。

 聞いているうちに、少し気になる言葉があった。「キャッチフレーズだけの選挙はもう終わりにしなければなりません」というのだ。「私は今までの政治家と同じことをやるつもりはありません」「今までのように、耳に心地よいキャッチフレーズを叫べば勝ってしまう、そういう民主主義を今こそ日本は変えていかねばなりません」

 なるほど。確かに肝心なのは浮ついた言葉ではなく、練り上げられた政策や候補者…

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