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多くの魚種で漁獲量減少 「増加」主張の国資料に疑義 諫干訴訟差し戻し審

「貝が取れる海に戻してほしい」と話す大鋸さん=佐賀県太良町の竹崎港で2020年6月17日午後4時51分、池田美欧撮影

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門開門を強制しないよう国が求めた請求異議訴訟差し戻し審で、諫早湾周辺の漁獲量増加の証拠として国側が福岡高裁に提出した資料を毎日新聞が検証したところ、1997年の堤防閉め切りから20年間で多くの魚種の漁獲量が減少していることが判明した。芝エビなど一部の増加が全体を押し上げているのが実態で、漁業者は「国は統計だけを見て、有明海の現状に全く目を向けていない」と憤る。

 最高裁は2019年9月、同訴訟の上告審判決で、開門を命じた福岡高裁判決(10年)の確定から長期間が経過していることを踏まえ、判決後の事情の変化について審議を尽くすよう補足意見を付け、審理を高裁に差し戻した。

 2審は、開門請求の根拠となった漁業者の「共同漁業権」が確定判決後に更新期限を迎えたことを理由に開門請求権が失われたとした。しかし最高裁は、漁業権の消滅は確定判決を無効化する理由にならないとして破棄。このため、20年2月に始まった差し戻し審で国側は、漁業者の共同漁業権の漁法で取れる主な魚種23種の総漁獲量が、17年に堤防閉め切り時を上回ったなどと事情の変更を主張。農林水産省の「海面漁業生産統計調査」を基にまとめた資料を証拠提出した。

 資料によると、97年に2702トンだった総漁獲量は12年の929トンまで減少傾向が続くが、13年から増加傾向に転じ17年に3239トンとなった。しかし…

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