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エンタメノート

「恋ダンス」踊った香港「雨傘」運動リーダー・周庭さん 笑顔が戻る日は…

「生きてさえいれば、希望があります」と、「デモシスト」脱退を表明した周庭さんのツイッター

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 新型コロナウイルス感染拡大でドラマが撮影できないテレビ局は、人気ドラマを編集した再放送で枠を埋めざるを得なくなったが、「おかげで懐かしいドラマが見られてよかった」という人も。TBS系で6月に再放送した「逃げるは恥だが役に立つ」は好評で、「#逃げ恥」がトレンドワードに上がったほど。

 それを見て、3年前に踊った「恋ダンス」をツイッターにアップした香港の23歳の女性がいる。アグネス・チョウさんだ。新聞表記で書くと、「民主派政党、香港衆志(デモシスト)の周庭氏」。日本のメディアも彼女を多く取り上げてきたから、昨年6月に来日した際の様子を覚えている方も多いだろう。

 日本での再放送を知った彼女は6月9日、「ツイッタートレンドにある#逃げ恥を見て、3年前のデモシスト設立1周年パーティーで仲間と一緒に#恋ダンスを踊ったのを思い出した。。。前列で黒いガウチョパンツを着ているのは私です! ダンスが苦手でごめんなさいm(__;)m」とツイート。そこにはデモシストの仲間たちと笑顔で恋ダンスを踊る、3年前だと20歳だろうか、彼女の動画が映っている。

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日本記者クラブで記者会見する周庭さん=東京都千代田区で2019年6月10日、吉田航太撮影

 同世代の若者と同じように、日本のアニメが好きで、モー娘(モーニング娘。)が好きで、ドラマも好き。それで日本語を独学で覚えたほど。そんな彼女は日本語でツイート(@chowtingagnes)を発信し、今年2月からはYouTube(https://www.youtube.com/周庭チャンネル/)も始めた。

 その内容は、緊迫した香港の状況、そして自分の思いを訴えるだけではない。不定期で自室から「いきなり生配信」を始め、それを見た日本の人から多くの質問が寄せられる。「好きな食べ物はなんですか?」「モー娘で誰が好きですか?」といった、香港の政治とは全く関係のない質問にも、嫌がることなく答えている。

 香港がどれだけ大変な状況でも、彼女のツイッターやYouTubeには、23歳の女性の「遊び心」がある。「恋ダンス」もそうだし、YouTubeチャンネルの冒頭、日本語でのあいさつは、日本のメイドカフェも知っているのだろう、手を振りながらの「おかえりなさいませ」だ。

 YouTubeの「初めてバレンタインチョコを作る!あげる相手は、まさか『彼』?!」では、手作りのバレンタインチョコを作り、それをある人にプレゼントする様子をしっかり映している。「初めてふわふわパンケーキを作ってみたけど…」では、自宅の台所で奮闘する姿を紹介した。チョコは誰に渡したのか、パンケーキの出来上がりは? それは実際に見てほしいので、ここでは内緒に。

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 もちろん、彼女は世界の人に今の香港、自分たちの主張を知ってほしいからこそ、メッセージを配信している。昨年8月には逃亡犯条例改正に絡む抗議活動を巡り「違法集会」に参加したなどとして逮捕され、新型コロナのため延期された裁判に向かう様子も発信している。そこには彼女の覚悟が伝わってくる。彼女を応援する人はもちろん、香港、中国政府関係者も当然、彼女のつぶやきや動画をチェックしているだろう。

 きょう30日、中国全人代常務委員会が「香港国家安全維持法」案を全会一致で可決した。可決を受けて、彼女らが「恋ダンス」で1周年を祝ったデモシストからの脱退を表明したというニュースも飛び込んできた。1国2制度の香港は今後、どうなってしまうのか。

 彼女は28日に投稿したツイートの最後にこうつぶやいている。

 「日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい。本当にわかってほしい…」

 このメッセージの最後には泣き顔の絵文字が付いている。法案成立後も彼女はメッセージを発信することができるだろうか。そして、彼女の書き込みに笑顔が戻り、大好きな日本に来られる日はいつになるのだろう。【油井雅和】

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