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香港国家安全維持法が成立 「1国2制度」崩壊の危機

ショッピングモールで香港国家安全維持法に抗議する人々=香港・中環で2020年6月30日、AP

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 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会は6月30日、香港の統制を強化する「香港国家安全維持法」(国安法)案を全会一致で可決し、国安法が成立した。同法を香港に適用する手続きも完了した。国営新華社通信が伝えた。また、香港政府は同日深夜、国安法を公布し施行したと発表。「1国2制度」は崩壊の危機に直面し、香港は1997年の返還以来、最大の転換点を迎えた。中国が国際社会の懸念を押し切る形で制定を強行したことで、米中関係もさらに不安定化するのは必至だ。

6月28日、「香港国家安全維持法」案を審議する中国全人代常務委員会の分科会=北京で、新華社・共同

 6月18日の審議入りからわずか13日間のスピード成立であり、法案全文は30日深夜になってようやく公表されるという異例の秘密審議となった。国安法は66条で構成され①国家の分裂②中央政府転覆③テロ行為④外国勢力との結託――の四つを犯罪行為と規定した。最高刑は終身刑。

 中央政府が香港に新設する国家安全維持公署は、重大な案件や外国の関与する複雑な案件など三つの類型で管轄権を行使できると規定。その案件は、中国の刑事訴訟法が適用される。

 香港の民主派は「1国2制度を破壊した」と反発している。香港が英国から中国に返還されて23年となる7月1日に大規模なデモを呼びかけている。

 習指導部は2019年6月から続く香港の抗議デモが反中運動と化し、米国が関与を強めることを極度に警戒。5月の全人代で国安法の制定を正式決定すると、全人代常務委は6月に2度という異例のペースで会議を重ね、通常より審議回数を減らす特例を適用してまで成立を急いだ。

 香港では9月に香港立法会(議会)選挙があり、7月18日に立候補者の届け出が迫る。国安法の施行を後押しに、民主派の勢いを封じる狙いがあるとみられる。

 一方、香港の旧宗主国である英国と中国が84年に結んだ「中英共同宣言」は、97年の返還から50年間は「高度な自治」が保障されると明記する。欧米を中心に「中国は『国際公約』を守るべきだ」と自制を求める声が強まっていた。

 米国のポンペオ国務長官は29日の声明で、米国が香港に認めてきた優遇措置の見直しを発表。香港への防衛装備品の輸出を停止し、軍民両用技術の輸出などを中国本土と同様に制限する。

 中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)副報道局長は30日の定例記者会見で「国安法の立法は純粋に内政問題だ」と述べたうえで、対抗措置を示唆した。【北京・河津啓介、香港・福岡静哉】

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