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カイコの体内で生成 新型コロナのワクチン候補、来年度にも治験へ 九大

九州大学=吉川雄策撮影

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 九州大は、九大発のベンチャー企業「KAICO」(福岡市)と共同で、新型コロナウイルスのワクチン候補となるたんぱく質の開発に成功したと発表した。九大で飼育するカイコの体内で人工的に生成でき、大量生産が可能だという。今後、マウスを使った実験を経て、来年度には製薬会社と組んで臨床試験(治験)に入る考えだ。

 九大農学研究院の日下部宜宏(たかひろ)教授(昆虫ゲノム科学)らのチームは、昆虫にしか感染しないとされるウイルスに、公開されている新型コロナウイルスの遺伝子情報を組み込み、カイコに注射。5日ほどでカイコ体内に「スパイクたんぱく質」が作られることを確認。スパイクたんぱく質は新型コロナウイルスの表面にあるとげ状のもので、人の細胞のたんぱく質と結合して感染が起きるとされる。

 九大はカイコ研究・収集で100年以上の歴史がある。日下部教授らは飼育する約450種の中にたんぱく質を多く作ることができる系統があることを発見し、新型感染症のワクチン研究を続けていた。既に家畜のコロナウイルス用ワクチンを開発しており、その技術を生かす。今後のマウス実験で感染をブロックできる抗体ができるかなどを検証する。

 日下部教授によると、国内外で開発中のワクチンは高価になると予想されるため、当面は数千円程度で接種できるワクチンを目指す。将来的には途上国などでの普及も視野に「より安価な『食べるワクチン』を作りたい」としている。【谷由美子】

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