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出所者の雇用支援拠点 全国8カ所体制に 福岡、札幌など6カ所新設

「出所者と一緒に成長したい」と話す白川運輸の白川安彦社長=福岡県久留米市で、浅野孝仁撮影

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 出所者の雇用を支援する法務省の矯正就労支援情報センター「コレワーク」が1日に福岡市や札幌市など全国6カ所で新たに開設され、これまでのさいたま市と大阪市と合わせて全国計8カ所体制に増強された。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた雇用情勢の悪化が懸念されるが、建築・土木業を中心とする求人は堅調だという。労働人口の減少に伴う慢性的な人手不足を背景に、刑期を終えた出所者の雇用に熱い視線が注がれている。

 「出所者を差別せず、平等に接することが大事だ」。冷凍食品の配送などを手がける福岡県久留米市の運送会社「白川運輸」の白川安彦社長(80)は強調する。現在、従業員約100人のうち男性5人が出所者で、パートや正社員の運転手として働く。

 事業拡大で人手不足に陥った同社は、6年ほど前に出所者を雇うようになり、所持金や住所がない出所者のために事務所内の一角を居住スペースに改造するなど受け入れ環境を整えてきた。2016年11月からは大阪市に開設されたコレワーク西日本を通じて採用している。

 最近は、出所者の従業員が社内結婚したといううれしい知らせもあった。白川社長は「やりがいを感じ、楽しそうに仕事する姿が見えた時はうれしい。一緒に成長していきたい」と出所者の働きぶりに手応えを感じている。

 法務省によると、13~17年は有職者の再犯率が8%だったのに対し、無職者は3倍超の25%だった。コレワークは同省の再犯防止に向けた取り組みの一環で、16年にさいたま市にコレワーク東日本、大阪市にコレワーク西日本を開設。2カ所には17年度、企業から求人に関する相談などが865件あり、177件で採用が内定した。18年度は1109件の相談に349件が内定しており、年々実績を上げている。

「コレワーク九州」の事務所前で抱負を語る高須賀英治室長=福岡市東区若宮5で、浅野孝仁撮影

 一方、西日本全域をカバーする大阪の職員は5人のみ。九州・沖縄の企業に限っても今年3月末までに319件の問い合わせがあるなど、マンパワー不足が問題になっていた。そこで法務省は1日から、札幌▽仙台▽名古屋▽広島▽高松▽福岡――6市に増設。今後は雇用条件の調整や面接の段取りなどのニーズにより丁寧に対応できるようになり、内定率の向上が期待される。

 また、政府は17年に閣議決定した「再犯防止推進計画」で就労と住居の確保を重点課題として明記。出所者1人当たりの雇用に最大72万円の奨励金を払う制度もある。自治体でも公共工事の入札で出所者を雇用する企業の評価点数を加算する優遇措置があるなど、雇用促進を下支えする動きが広がりつつある。

 法務省によると、新型コロナの影響で雇用情勢は飲食業などで当面悪化すると見込まれるが、出所者の就職実績の多い建築や土木、運輸、介護などの分野は今後も堅調で「働き口はある」(担当者)という。1日から九州・沖縄を管轄している「コレワーク九州」(福岡市)の高須賀英治室長は「セミナーなどを通じ事業者に出所者が仕事に就く重要性を理解してもらい、求人を確保したい」と抱負を述べた。【浅野孝仁】

矯正就労支援情報センター(通称・コレワーク)

 英語の「Correction(矯正)や「Work(仕事)」をもとにした造語。全国の刑務所・少年院にいる就職希望者のデータベースを整備し、雇用を検討する企業の問い合わせに対して、条件に合う受刑者らがどの施設にいるかを回答する。企業が実際に雇用したい場合は、ハローワークで「受刑者等専用求人」に登録。受刑者らがその企業への就職を希望すれば、コレワークが履歴書作成などを取り次いだり、施設内で面接ができるように調整したりする。

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