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本当に「スピード感重視」? 2カ月たっても受け取れない大阪府の休業要請支援金

休業要請支援金の登録情報に誤りがないかを確認する府職員ら=大阪市で2020年6月30日午前10時、石川将来撮影

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 新型コロナウイルス対策として、大阪府が営業自粛要請に応じた中小企業などに給付する「休業要請支援金」の手続きが遅れている。申請から3週間程度での支払いを掲げているが、2カ月たっても受け取れない事業者もおり、審査状況の問い合わせが連日数百件寄せられる。不正防止のための提出書類が多く審査が煩雑なことが一因だが、経済支援にスピード感が必要なだけに制度設計に疑問の声も上がる。

 支援金は、府の要請に応じた中小企業に100万円、個人事業主に50万円を支払う制度で、4月21日~5月6日に全面休業し、4月の売り上げが前年より50%以上減少したことなどが条件。吉村洋文知事も制度発表時には「スピード感重視」と繰り返した。府はホームページ(HP)に「書類に不備などなければ、申請から3週間程度で振り込まれる予定」と掲載している。

申請の4割弱が未払い しびれ切らした府民から問い合わせ相次ぐ

 申請期間は4月27日~6月20日で、同24日までに、申請した約5万5000件の63%に当たる約3万5000件分を支払った。一方で4割弱の約2万件分は未払い。専用コールセンターには5月下旬ごろから、3週間が過ぎても音沙汰がないことにしびれを切らした府民から審査状況の問い合わせが相次ぐ。

 府は200人態勢で審査を進めるが、帳簿や店の外観写真など、多岐にわたる書類確認に、最低でも1件当たり数十分はかかるという。常駐する税理士らに賃貸契約書の有効性などの判断を仰ぐこともあり、担当者は「公金から支払うため、書類の確認がとれない限り入金できない」と話す。

 大阪府羽曳野市でエステサロンを営む男性(42)は5月1日に書類が府に届いたのを確認したが、その後の府の回答は「審査状況は答えられない」の一点張りだといい、自分の審査が始まったのかすら分からないと嘆く。4月中旬からの休業で収入は激減し、苦しい生活が続く。男性は「一部の不正の可能性を気にするあまり手続きが遅れ、協力した府民がぎりぎりの生活を送るのはおかしい」と不満を口にする。

 小規模事業者ら約2万5000人が所属する大阪商工団体連合会では、現在も受給は申請した会員の35%程度にとどまっている。府が申請した事業者の店名などをHPで公表しており、「営業していた店が支援金を申請している」との情報が府に寄せられるなど、市民が監視し合うような状況にも懸念を示す。稲田顕・事務局次長は「『通報がデマでも信頼を失えば売り上げに響く』と公表に抵抗を覚え、申請しなかった会員もいるようだ。手続きを煩雑にしたり、『自粛警察』に拍車をかけたりして、府は申請を抑制したいのでは」といぶかる。

 府民からの申請の相談に乗った堺市の行政書士、池田一紗さん(41)は「府は『性悪説』で制度設計していると感じるが、支援金の趣旨からすれば『性善説』でスピード感を持った審査を行うべきだ」と指摘する。【石川将来】

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