江戸時代末、幕府は品川沖に11基の大砲用台場の築造を決定した。5基が完成したが、1基は途中で止まり、残りの建造は中止となった。理由は資金の不足とも自在に動く蒸気艦隊に定位置の大砲は効果がないと分かったからともいわれるが、日米修好通商条約締結で結局必要なくなった。この不平等条約から考えると、やはり台場の大砲に威力はなかったのだろう。技術的進歩と国際関係の変化が、武器の製造や購入にかける巨額の費用を無用なものにする。江戸幕府はそれを知ったのである。
イージス・アショアの配備計画が停止された。事実上の白紙撤回という。迎撃ミサイルのブースター部分を海上や自衛隊演習場内に落とせない、という技術的問題が見つかったからだとされる。地元に説明したデータもずさんで、経費も膨らみ、使用開始も延期されていた。中止は賢い判断だと思う。
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