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記者の目

コロナ禍のブラジル・貧民街 草の根が支え合う生活=山本太一(サンパウロ支局)

住民に大量の弁当を配達するパライゾポリスの住民組織メンバー=サンパウロで2020年4月20日、山本太一撮影

 南米のブラジルで新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している。貧困地区を中心に急速に広がり、感染者数は130万人、死者数は5万人を超え、共に米国に次いで、世界2番目となった。ただ、心配した大規模な略奪や暴動は起きていない。公的な医療サービスが脆弱(ぜいじゃく)な中、人々が自発的に感染予防や生活維持に取り組んでいるからだ。草の根で支え合う市民の力の大きさを現場で実感している。

 4月中旬、最大都市サンパウロのスラム街「パライゾポリス」を歩いた。ブラジル全土の都市部に点在し、計1000万人以上が暮らすファベーラと呼ばれるスラム街の一つで、新型ウイルスの感染爆発が懸念されていた。3月下旬から市民の外出や経済活動が制限される中、高層マンションが林立する富裕層地区の人影はまばら。ところが、隣接するパライゾポリスはまるで別世界で多くの人が路地を行き交い、仕事をしていた。

 真っ先に目に飛び込んできたのは異臭を放つドブ川。上下水道の整備は不十分で、狭い路地の脇に質素な住宅がひしめく。大人数で暮らす家族も多い。制限を守らなくてもよいのかと尋ねると、ある住民は「生きるためにはやむを得ない」と訴えた。感染が怖くても働き続けなければ、その日の食べ物も確保できないというのだ。

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