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 海を見たくなる時がある。東京の近郊なら相模湾を走る東海道線に乗る。海が近づく。陽光にきらめく夏が美しい。

 詩人の中桐雅夫に、このあたりを描写した作品「海」がある。

 <根府川(ねぶかわ)と真鶴(まなづる)の間の海の、あのすばらしい色を見ると、いつも僕は、生きていたのを嬉(うれ)しいと思う――>

 コロナ禍で、自粛が要請されていた都道府県間の移動が全面解除され、各地の観光地はにぎわいを取り戻しつつある。行きたい所へいつでも行ける。そんな自由のありがたみをこれほど感じたことはなかった。

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