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「8割賛成」ウラに不正? ロシア改憲案の発効確実 愛国的条項に周辺国懸念

投票所で身分証明書を提示するプーチン露大統領=モスクワで2020年7月1日、AP

 ロシアの憲法改正の是非を問う全国投票が1日締め切られ、即日開票の結果、賛成票が8割近くに達し、改憲案の発効が確実になった。プーチン大統領が任期満了となる2024年以降も最長で2期12年大統領にとどまる法的な基盤が整うが、国内では不正投票の疑いなど不透明さも指摘されている。改憲案は「自国領の割譲禁止」など愛国的な条項を多く含み、周辺国との緊張が高まる恐れもありそうだ。【前谷宏】

 中央選管によると、開票終了時の暫定値で賛成票は77・92%となり、反対票(21・27%)を大きく上回った。投票率は約68%で、有権者の半数以上が賛成票を投じた計算になる。

 改憲の焦点は、大統領任期を現行の「連続2期まで」から「通算2期まで」に制限する一方で、改憲時までの大統領経験者の任期を今後の選挙で勘定しない条項だった。これにより、通算4期目のプーチン氏は5選出馬が可能になる。

 政権は当初4月22日に投票を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、投票日を延期した。ただ、新型コロナへの対応を巡りプーチン氏の支持率が急落した。そのため目標値としていた投票率を6割から55%、賛成票の割合を7割から6割程度まで引き下げたと報じられていた。

 だが、蓋(ふた)を開けると、結果は2018年の大統領選における投票率(67・54%)とプーチン氏の得票率(76・69%)の同水準に到達。タス通信などによると、ペスコフ大統領報道官は2日「プーチン大統領への実質的な信任投票が大成功の結果となった」と勝利宣言をした。

 今回の投票は現行の憲法規定で必要のない手続きだったが、プーチン氏は国民による直接投票にこだわった。背景には「投票の形式を取り、国民を『共犯者』にして、プーチン氏が権力にとどまることを正当化する」(カーネギー国際平和財団のコレスニコフ主任研究員)狙いがあるとみられる。

 改憲案には年金受給額や最低賃金の調整などの条項が盛り込まれたうえに、全項目への賛否を一括して表明する投票方式を取ることにより、政権は国民が反対しにくい状況を作り出した。本来は7月1日が投票日だったが、中央選管は「新型コロナの感染予防」を名目にして、投票期間を6月25日からの1週間に拡大。広場や農場などに出張投票所を設け、選管職員が有権者の家に出向くなど、投票率増に向け、なりふり構わぬ姿勢を示していた。

 一方、ロシア国内ではこれらの措置が投票監視員の不足を招き、不正の可能性が高まったとの指摘が絶えない…

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