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外国ルーツ著名人の政治的発言に批判「日本人名乗るな」 なぜ? 社会学者に聞く

「見ず知らずの人から、運動選手は政治に関わらず楽しませろ、と言われるのは嫌だ」などとツイートする大坂なおみ選手=大坂さんのツイッターアカウントから

 外国にルーツを持つ日本の著名人の政治的言動に対し、オンラインで激しい反発が寄せられる事例が相次いでいる。最近では米プロバスケットボールの八村塁選手(22)やモデル・女優の水原希子さん(29)、プロテニスの大坂なおみ選手(22)だ。批判は「日本」や「日本人」に言及したものが目立つ。いったい、どういうことなのか。自らも外国ルーツの社会学者で大阪市立大都市文化研究センター研究員のケイン樹里安さん(31)に読み解いてもらった。【和田浩明/統合デジタル取材センター】

 まず、どんな批判が出ているのか、整理しておこう。

 八村さんは6月19日、所属するウィザーズの選手らとともに首都ワシントン中心部を行進して、黒人に対する差別反対を呼びかけた。この日は米国の「奴隷解放記念日」でもある。

 八村さんはチームメートと「Together We Stand(連帯は力)」と書かれた横断幕を持ち、右の拳を挙げるなどした。こうした姿がチームのツイッターアカウントで発信され、日本のオンラインニュースサイトでも記事が流れた。

 これに対し、「日本で差別されたのか」「日本人なら参加してほしくなかった」といった批判が相次いだ。新型コロナウイルス感染の拡大への懸念の声も見られた。

 また、米国人の父、韓国人の母を持ち米国籍という水原希子さんは、「日本国籍でないなら日本人感を出すな」という内容のツイートに6月16日、「私がいつ日本人感出しましたか?日本国籍じゃなかったら何か問題ありますか?29年間、日本で育って、日本で教育を受けてきました。何が問題なのか全く分かりません」と反論した。これに対しても、「日本国籍でないのに政治的発言をしたら内政干渉になる」「嫌なら日本人名を名乗らなければいい」といった声が上がった。

 大坂さんの場合は、米国で相次ぐ警察官拘束下での黒人死亡事件を受け続いている「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も重要だ、BLM)運動」関連で、大阪でのデモ情報を「お願いします」とのメッセージとともに6月4日にリツイート。「日本に人種差別は無い」といった反応には、「日焼けしすぎ」「漂白剤が必要」などと日本のコメディアンに自らが言われた際の記事を発信した。

 これに対しても「日本に米国の問題を持ち込み扇動した」といった批判の声がネット上で上がった。

 外国ルーツの著名人らの「異議申し立て」に対し、「日本」「日本人」にからめた批判が生じる背景には、何があるのか。ケインさんが注目するのは、大坂さんが2018年にテニスの全米オープンで優勝した際に「日本人」であることが大きく評価されたこと…

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残り1540文字(全文2627文字)

和田浩明

1991年4月入社。英文毎日編集部、サイバー編集部、外信部、大阪社会部を経て2003年10月から08年3月までワシントン特派員。無差別発砲事件、インド洋大津波、イラク駐留米軍や大統領選挙を取材。09年4月からはカイロに勤務し、11年1月に始まった中東の民主化要求運動「アラブの春」をチュニジア、エジプト、リビア、シリア、イエメンで目撃した。東京での中東、米州担当デスク、2度目のワシントン特派員などを経て2019年5月から統合デジタル取材センター。日本社会と外国人住民やLGBTなどの今後に関心がある。

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