米中「貿易戦争」突入2年 コロナによる経済停滞、香港…増す不透明感 再燃避けたい事情も
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米国と中国が互いの製品に高い関税を掛け合う「貿易戦争」に突入してから6日で丸2年。1月の「第1段階」合意によって一時休戦に持ち込んだものの、新型コロナウイルスの影響で米中貿易は再び停滞し、合意の柱である中国による米製品の巨額購入の実現も厳しい状況だ。世界の2大経済大国はどう歩み寄るのか。
「第1段階」合意で中国は、貿易戦争前の2017年の米国による対中輸出実績を基準に、20年は767億ドル(約8・2兆円)、21年は1233億ドル分、米国製品の購入額を積み増すことを約束。これを受け、米国は制裁「第4弾」として年間輸入総額1200億ドル規模の中国製品に課してきた追加関税率を15%から7・5%に半減した。
だが、新型コロナによる経済の停滞で、増やすはずの中国による米国製品の購入額は逆に減少に転じている。中国側統計によると、20年1~5月の米国製品の輸入額は前年同期比7・6%減、基準となる17年の同じ時期に比べると27・2%も減少した。目標達成には21年までに米国からの輸入額を17年の1・7倍に拡大する必要があり、「達成は絶望的」(エコノミスト)との見方が強まっている。
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