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余録

なじる相手に反撃して…

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 なじる相手に反撃して、なじり返す「逆ねじを食わせる」の逆ねじを、ひところ「ぎゃくねじ」と読んでいた。ある時、辞書を探しても「ぎゃくねじ」がなく、恥ずかしながら初めて「さかねじ」と分かった▲辞書にない「ぎゃくねじ」も実はあり、右に回すと締まる普通のネジと逆に、左回しで締まる左ネジをそう呼ぶ。普通のネジで締めても回るうちに緩んでしまう扇風機の羽根や、自転車の左ペダルを固定するのに欠かせないのである▲機械類の左ネジは少数派だが、自然界のネジの巻き方は左右ほぼ半々という。いや、この季節に芝生など草地で見かけるネジバナの話である。20~30センチの花茎に5ミリほどの淡紅色の花がらせん状に連なって咲くユニークな雑草である▲別名モジズリ。百人一首の河原左大臣(かわらのさだいじん)「みちのくのしのぶもぢずりたれゆえに乱れそめにしわれならなくに」で、恋心を表す「しのぶもぢずり」は乱れねじれた模様のもじずり染めの布という。優雅な異名はねじれ方が似ていたのか▲聞けばこの草花、生命力の強そうな雑草なのにランの仲間という。花をよく見ると、なるほど一つ一つが小さいながらランの花の形をしている。だが、優美な姿を身近でめでようと栽培してみても、これがなかなか難しいのだという▲<もぢずりの登りつめたる小宇宙 長岡芳玲>。花の連なりが茎の頂上まで咲き上がると梅雨が明けるともいわれるこの時期のネジバナだ。盛夏へとひそやかに季節を回し進める愛らしい花のらせんである。

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