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球磨川氾濫で避難所は「キャパ超え」 災害とコロナ、両にらみの難しさ

避難所の受付で検温を受ける避難者(左)=熊本県人吉市下城本町の人吉スポーツパレスで2020年7月4日午後3時53分、白川徹撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が再び懸念される中、九州南部が記録的な大雨に見舞われた。熊本、鹿児島両県では約18万世帯に避難指示や避難勧告が出されたが、「密」な環境になりがちな避難所は新型コロナにどう対応したらいいのか。毎日新聞は6月に避難所での新型コロナ対策について、全国自治体にアンケートを実施。その結果、半数を超える自治体が収容人数は「減る」と想定していた。収容人数を試算した自治体の大半は現行計画から収容人数が半減すると見ており、今回の大雨や今後の出水・台風期に避難所運営が困難になる恐れがある。【柳澤一男、園部仁史、三股智子、白川徹】

 市内を流れる球磨川が氾濫し、広い範囲で浸水した熊本県人吉市には15カ所の避難所が開設され、約1000人が避難した。「災害の規模が想定外の大きさで、避難所のキャパシティーを超えている。通常の避難所運営だけでなく、新型コロナ対策が加わり職員の負担も大きい」。同市下城本町の人吉スポーツパレスに設置された避難所の責任者を務める市職員の鳥越光喜(てるき)さんが疲れた表情で語った。

 市役所に隣接し、最大の避難所でもある人吉スポーツパレスには約500人が避難。感染防止のため、受付で職員が避難者全員の体温を測定し、体調や持病の有無の聞き取りをする。熱がある場合は、他の避難者とは分けられた部屋が割り当てられる。受付には手指消毒のための消毒液も設置。「3密」を回避するため、避難世帯の間にはついたてが置かれ、2メートルの距離が取られていた。

 鳥越さんによると、コロナ対策で備蓄していたため、消毒液や体温計は十分にあるという。ただ、避難世帯同士の距離を保つ分、スペースが足りず、廊下や階段の踊り場も使わざるを得ない状況だ。

 生後4カ月の娘と避難している同市の主婦、井上優希さん(20)は「娘が小さいので、コロナが心配。市も対策をしてくれているが、避難所で長く暮らすとなると不安だ」。同市の看護師、永岡さとみさん(57)も「避難所では人との接触が避けられないので注意したい」と心配そうだった。

 調査は6月12~23日、災害救助法で大規模災害時に救助主体となる全都道府県と、政令市のうち同法で救助実施市に指定され、府県に代わって救助の主体となる12市の計59自治体にアンケート形式で実施。全自治体から回答を得た。12市は仙台、横浜、名古屋、神戸、福岡――など。

 その結果、市区町村などが指定する避難所の収容人数について、東京都、広島県など32自治体(23都道府県、9市)が「減る」と回答した。このうち16自治体が…

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