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余録

九州にはカッパの伝説が多いが…

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 九州にはカッパの伝説が多いが、熊本県はカッパ渡来の地という。八代(やつしろ)市には碑まであるが、江戸時代の説話集によれば、中国は黄河のカッパ一族が海を渡って来たのだという▲球磨川(くまがわ)にすみ着いたカッパは数を増やし、九千坊(くせんぼう)と呼ばれる頭領に率いられた。だが、そのいたずらで住民は大いに困り、領主の加藤清正(かとうきよまさ)は九州全土のサルに命じカッパを攻めさせた。カッパは降参し、この地を立ち退いたとの話だ▲清正は現実の歴史では、優れた土木技術で球磨川などこの地の河川の治水に大きな功績を残したことで知られる。水神(すいじん)の化身といわれるカッパと清正の説話には、水に苦しめられた領民の清正への感謝の念が込められていそうである▲海から熊本県と鹿児島県へ延びたのは、線状降水帯(せんじょうこうすいたい)と呼ばれる豪雨の帯だった。両県を襲った梅雨前線豪雨である。球磨川は広範囲にわたり氾濫して各地で住民たちが孤立、土砂災害も相次いで、死者や行方不明者も報じられている▲衝撃的なのは、流域の特別養護老人ホームが水没し、お年寄り多数が巻き込まれたとのニュースである。過去の水害でも高齢者施設が被災し、多くの入所者が亡くなった例があるが、適切な場所への避難はできなかったのだろうか▲今は不明者の救出や孤立地域との連絡に全力を注いでほしい被災地だが、今後の復旧ボランティア活動でも気になるコロナ対策である。災害列島住民の連帯も脅かすウイルスを立ち退かせる妙手は、清正公にもカッパの頭領にもないのか。

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