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社説

NHK経営委と「かんぽ」 議事録全面公開し説明を

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 放送法に抵触している疑いがますます強まった。かんぽ生命保険の不正を追及したNHKの番組を、経営委員会の幹部が批判していた問題だ。

 日本郵政グループからの抗議に同調した当時の石原進委員長と森下俊三委員長代行が議論を主導し、経営委は上田良一会長をガバナンス(統治)不足などを名目に厳重注意した。森下氏は現在、委員長に就いている。

 毎日新聞の取材で、厳重注意の直後、上田氏が「NHK全体の非常に大きな問題になる」と抗議していたことが判明した。抗議にもかかわらず、森下氏らは厳重注意を覆さなかったという。

 経営委はNHKの最高意思決定機関だ。放送法32条は経営委が個別の番組に介入することを禁じている。森下氏らは放送法や、公共放送としての使命を理解しているのか疑問がある。

 経営委員は首相に任命権がある。このため、政権の意向が反映される可能性もある。

 NHK執行部も経営委も、一貫して自主自律や番組編集の自由を損なう事実はなかったと強調している。

 しかし番組自体、郵政側の抗議の影響を受けている。厳重注意に先立ち、番組の続編が延期され、続編に向けたネット動画2本が削除された。

 さらに問題なのは、経営委がいまに至るまで、厳重注意を巡る正式な議事録を全面公開していないことだ。

 NHK情報公開・個人情報保護審議委員会は5月、速やかな開示を求める答申を出した。しかし、経営委は3回にわたって議論したにもかかわらず、検討中を理由に対応を先延ばしにしたままだ。

 もともと、経営委側は非公表を前提とした意見交換の場だったとして、当初は議事録の存在すら否定していた。後に国会で追及を受け、概要を記した「議事経過」や経緯を説明する文書だけを公開している。

 番組編集の自由を損なった事実がないのであれば議事録を全面公開しても問題はないはずだ。

 外圧に屈することで、現場の萎縮を生んだことはなかったのか。疑念を残さぬよう徹底的に検証して、説明責任を果たすべきだ。

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