メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

社説

ヤングケアラー 支援へ実態調査が必要だ

[PR]

 学校に通ったり仕事をしたりしながら、家族を介護する子どもたちがいる。「ヤングケアラー」と呼ばれている。

 慢性的な病気や障害を抱える父母や兄弟姉妹などを支え、本来なら大人が担うような介護を引き受けている。精神障害がある親の面倒をみるケースや、ひとり親家庭で親の代わりに祖父母をケアする場合など、事情はさまざまだ。

 総務省の統計を基にした毎日新聞の集計では、15~19歳のヤングケアラーは全国で推計3万7100人に上る。約3人に1人は週に4日以上介護している。

 14歳以下の小中学生もいるというが、実態は明らかでない。

 家族同士が支え合うこと自体は大切だ。だが、子ども以外に介護の担い手がいなければ負担が重くなる。心身が疲弊して進学を諦めるようなことがあれば、将来への影響は大きく、見過ごせない。

 子どもは、利用できる介護・福祉サービスについての知識が限られる。介護を負担と感じるようになっても相談先が分からず、声を上げにくい場合も多いという。

 教育現場では、子どもの様子に十分目配りすることが求められる。ヤングケアラーの支援で先進的な英国では、介護のために必要であれば、学校の授業を休むことも認めている。参考になるだろう。

 介護現場や医療機関は、子どもたちが抱える問題に留意し、必要な支援につなげてほしい。教育と福祉・医療が連携して、子どもに寄り添うことが肝心だ。

 ただ、この問題は広く知られていない。埼玉県では、ヤングケアラーを支援する全国初の条例が制定され、実態調査が始まる。国は自治体任せにせず、全国的な調査を早急に実施すべきだ。

 国や自治体が関係機関に注意喚起することも欠かせない。利用できる行政サービスを、家庭に積極的に伝えることも大切だ。

 民間団体は、子どもらが介護体験や苦労を語り合える集いの場を運営している。自治体は、こうした取り組みを支援することも求められる。

 ヤングケアラーの存在は、家庭の介護力に限界がある現状を浮き彫りにしている。介護は家族の役割だという考えを見直し、社会全体で支えていくことが必要だ。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 五輪招致疑惑、IOC委員側に3700万円 コンサル口座から

  2. 「欅坂46」から「櫻坂46」に 新グループ名発表

  3. 見過ごせない菅首相の乱暴な言説 普天間移設の歴史に二つの「反故」

  4. 米のデシャンボーがメジャー初V 松山英樹は17位 全米オープン

  5. 現場から うがい薬で「コロナに勝てる」、不十分なデータ基に会見 一府民、情報公開請求で解明 活動、ネットで広がる /大阪

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです