メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

詩歌の森へ

句集『火炎樹』の魅力=酒井佐忠

 長野県松本市で「信濃俳句通信」主宰として活躍する佐藤文子が25年ぶりの句集『火炎樹』で俳句四季特別賞を受賞した。佐藤は、穴井太に師事。穴井は、石牟礼道子と出会い、俳句の世界に誘った人でもある。それぞれの表現方法は違っても、俳句に向かう深い精神性に変わりない。集名の「火炎樹」はベトナム旅行の途次に公園で出会った花。大樹でありながら華やかな赤の底に潜むささやかさに惹かれたのだという。

 <火炎樹や愛されぬまま髪を梳く><花芯まで覗(のぞ)かれてをり夜の桜><倒木の紅葉一枚生きてをり>。その句集には「火」や「花」をテーマにしたものが多いが、「心の風景」にも挑戦した句が魅力的。一方、<風が泣く夜はみかんとチェーホフと>の句も。「桜の園」や「三人姉妹」で知られるチェーホフは、虚無的な憂愁を込めつつ人間の未来への確信をこめた作家で私も敬愛している。

この記事は有料記事です。

残り202文字(全文575文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 見えたー! ペルセウス座流星群がピーク迎える 天の川と「競演」

  2. キャバクラ暴行死 未婚10代母、遠い自立 娘残し無念

  3. 御巣鷹墜落事故で救出、今は3児の母に 川上慶子さんの伯父が振り返る35年

  4. 国は我々の死を待っているのか 「黒い雨」訴訟原告 怒りと落胆

  5. ORICON NEWS セクゾ松島聡、1年9ヶ月ぶり活動再開を発表 18年11月よりパニック障害の療養で休止

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです