豪雨災害もたらす「線状降水帯」 発生予測の精度を高めるカギとは

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球磨川が氾濫し、浸水した人吉市街地=熊本県人吉市で2020年7月4日午前11時47分、本社ヘリから田鍋公也撮影
球磨川が氾濫し、浸水した人吉市街地=熊本県人吉市で2020年7月4日午前11時47分、本社ヘリから田鍋公也撮影

 熊本県南部を襲った豪雨では、「線状降水帯」と呼ばれる強い雨をもたらす積乱雲が次々と線状に並ぶ気象現象が、被害を広げる一因となった。長崎と佐賀、福岡の3県には6日、大雨特別警報が発表され、線状降水帯を伴う大雨の恐れもある。線状降水帯は予測が困難とされる中、防災への新たな取り組みが始まっている。

自治体に事前情報提供「社会実験」中だった

 九州では4日以降、積乱雲が帯状に連なる「線状降水帯」が発生した。発生予測が困難な気象現象だが、防災科学技術研究所などのチームが九州地方で発生予測の実現を目指し、自治体に事前に情報を提供して防災に役立ててもらう社会実験に取り組む中での豪雨災害だった。

 線状降水帯は台風や梅雨前線などに比べて規模が小さく、持続時間もそれらより短い局地的な気象現象で、現状では数時間~半日前に発生を予測するのは難しいとされる。しかし1995~2009年の日本の豪雨のうち、台風などを除く6割がこの現象に関係していたとのデータもあり、防災科研などのチームは18年から予測実現のプロジェクトを始めた。

 チームは、気象庁の風向風速や水蒸気などの観測データを基に、12時間後までの線状降水帯の発生を独自に予測。その結果を19年から、プロジェクトに参加する北九州市▽福岡県朝倉市▽同県うきは市▽同県八女市▽同県東峰村▽大分県日田市▽熊本市▽熊本県阿蘇市▽鹿児島市――の9自治体のうち、発生可能…

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