コロナ禍で、石垣りんさんの詩「屋根」を読み返した。
<日本の家は屋根が低い 貧しい家ほど余計に低い、その屋根の低さが 私の背中にのしかかる>
石垣さんは4歳で母を亡くし、14歳で働き、戦後の貧困の中、半身不随の父と病気がちな義母、無職の弟ら一家の暮らしを背負った。
<病父は屋根の上に住む 義母は屋根の上に住む きょうだいもまた屋根の上に住む><大根ものつている 米ものつている>
新型コロナウイルス感染対策で「ステイホーム」が叫ばれたことで、「屋根」はずしりと重くなった。テレワークとなった「仕事」も一斉休校となった「教育」も、果てはPCR検査がなかなか受けられない発熱者の療養まで全部、「家庭」に押しつけられたからだ。
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