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私の記念碑

新国立劇場バレエ団次期芸術監督 吉田都/5 白鳥の情と黒鳥の華

「ラストダンス」で白鳥を踊った吉田都(右)=長谷川清徳撮影

 白鳥の叙情と黒鳥の華を一人二役で見せる「白鳥の湖」。吉田都は本作で初主演を果たし、昨夏の引退公演「NHKバレエの饗宴(きょうえん)特別企画 ラストダンス」でも1場面を踊った。この演目との縁は、英ロイヤル・バレエ学校時代にさかのぼる。

 稽古(けいこ)場での試演会で、生徒らが黒鳥の大技グラン・フェッテ(コマのような連続回転)を順に披露した時。吉田の番が終わると、臨席していた老婦人が音楽を止めさせて言った。「この悪魔的な技を、彼女ほど美しく回る人を見たことがない。輝きと詩情にあふれ、しかも役の表現たりえている。これが芸術です」。その人はロイヤルの創始者ニネット・ド・バロワ。場に居合わせ、吉田を雇用した振付家ピーター・ライトの証言だ。

 「当時の英語力では聞き取れなかったのですが皆が拍手をしてくれて。以来『フェッテだけは失敗しない』と、心のとりでになっていました。あのほめ言葉が35年のバレリーナ人生を支えてくれたのかもしれません」

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