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コロナと非正規の失業 生活・住居の支援を確実に

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、雇用情勢の悪化に歯止めがかからない。

 5月の完全失業率は2・9%で3カ月連続の悪化となった。新型コロナに起因した解雇・雇い止めは、少なくとも3万人を超えると見込まれる。半数以上は、非正規労働者だ。

 企業はまず、雇用を守ることに力を尽くすべきだ。従業員を休業させた場合に、国から手当の補助が出る雇用調整助成金は非正規も対象になっている。手続きに時間がかかるため利用に二の足を踏んでいる中小企業があるが、制度を活用し、従業員を安易に解雇しないようにしてほしい。

 同時に、失業した人に対し、セーフティーネットが有効に機能するようにしなければならない。

 失業手当は、要件を満たして受給する人が失業者の2割程度にとどまるという。特に非正規労働者は貯蓄も少ない傾向にあり、失業がすぐに生活の困窮につながりかねない。失業と同時に会社の寮を出るよう求められれば、住まいも失う。

 政府は、失業者らに対する生活資金の緊急貸し付けや、家賃の支払いを補助する給付金を補正予算で拡充している。

 必要な情報がワンストップで受けられるよう、自治体は相談体制を強化してほしい。景気回復が遅れれば、支給額の引き上げや期間延長の検討も必要になる。

 民間団体には、仕事を失った高齢者からの相談も目立つという。

 低年金、無年金の人は生活保護の利用も選択肢になるだろう。厚生労働省は新型コロナ対策で受給要件を緩和した。必要な人が適切に保護を受けられるよう、政府は自治体に促す必要がある。

 再就職に向けた支援も大切だ。失業手当を受けられない人を対象に給付金とセットで職業訓練が受けられる制度があるが、実践的でないと指摘されている。企業のニーズに合うよう、訓練内容を改善すべきだ。

 緊急事態宣言が解除されて1カ月以上がたつが、感染対策のため経済活動は元の水準に戻っていない。景気の先行きに対する企業の見方も厳しい。失業者の増加を抑え、生活に困窮した人を息長く支援する必要がある。

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