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毎日新聞朝刊1面の看板コラム「余録」。▲で段落を区切り、日々の出来事・ニュースを多彩に切り取ります。

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映画「風と共に去りぬ」の撮影は…

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 映画「風と共に去りぬ」の撮影はすでに始まっていた。しかし、脚本が気に入らなかったプロデューサーは撮影を止め、新聞記者出身で早書きのすご腕と定評があった脚本家のベン・ヘクトに5日間での書き直しを命じる▲舞台「ムーンライト&マグノリア」は実話を基にドタバタの舞台裏を描く喜劇だ。2004年に米国で初演され、日本の劇団ではテアトル・エコーが「風と共に来たる」の題で上演している▲81年前の製作当時、欧州ではナチス・ドイツがユダヤ人を迫害していた。映画の成功に情熱を傾けるプロデューサーに対し、奴隷制を美化するような設定に反発するユダヤ系のヘクトの視点がピリッと利く。実際、ヘクトはクレジットされることを拒否したという▲米国で白人警官が黒人男性を死亡させた事件を受けてブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大事だ)運動が広がる。動画配信サービスは、この映画の配信を一時停止し、本編の前に解説を付けて再開した。ヘクトが生きていたら、留飲を下げたに違いない▲ラグビーのイングランド代表チームのファンが歌う黒人霊歌由来の応援歌「スイングロー・スイートチャリオット」も賛否の議論が起こる。奴隷制に関わる歌だからというのだ▲米ディズニー社の人気アトラクションのテーマは、黒人少女が主人公の映画に変更されるようだ。たとえ物理的に排除されても、意識が変わらなければしょうがない。負の歴史をいかに教訓にするか。他者への想像力も大事だ。

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