東日本大震災の津波で多くの命が失われた福島県双葉・浪江町にまたがる両竹(もろたけ)地区で、古代から人が住んでいた土地の歴史と文化の記憶を継承しようとする活動を支援している。のどかだった農村は、東京電力福島第1原発事故で帰還が困難になり、地区の多くは「復興祈念公園」に姿を変える計画だが、「被災地というだけでなく、ごくごく普通の農村があったことを伝えたい」と話す。
日本近世史の学者として、NPO法人を作って各地の民家に残る古文書保存活動を続けてきた。震災があった2011年、両竹地区の旧家出身の学生から古文書の相談を受けたことがきっかけで、翌年から自ら福島原発周辺に通うように。文書収集で訪れた旧家の蔵の床が抜けて、落ちてきた木材で足をけがしたこともある。研究室にこもらず現場に向かうのは「資料だけでは分からないことを地域の人に教えてもらえる」という理由もある。
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