静岡・吉田工場火災で消防隊員ら犠牲 消火の「プロ」がなぜ? 事故調査委設置し検証へ

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火災が発生した「レック静岡第2工場」=静岡県吉田町で2020年7月5日午前9時53分、本社ヘリから
火災が発生した「レック静岡第2工場」=静岡県吉田町で2020年7月5日午前9時53分、本社ヘリから

 静岡県吉田町川尻のレック静岡第2工場(鉄筋2階建て)で5日未明に発生して、警察官1人と消防隊員とみられる3人の4遺体が見つかった火災。消火活動の「プロ」が惨事に遭った理由について、専門家は広い閉鎖空間での対応の難しさを挙げる一方、煙が確認できる工場に進入した判断などに疑問を呈する。静岡市消防は近く事故調査委員会を設置し、当時の行動について検証する方針だ。【太田圭介、古川幸奈】

 静岡市消防は5日の記者会見で、4人が建物内に入る直前の状況について「煙は少なく炎も見えなかった」と説明。「進入は適切」と説明した。

難しい進入判断

 東京消防庁麻布消防署長を務めた坂口隆夫・市民防災研究所理事は「煙が充満する場合、建物の構造や保管物がはっきりしないと進入させない」と市消防の判断に異を唱える。今回の火災と似たケースが1964年に起きた品川勝島倉庫爆発火災だ。倉庫内に無許可で保管されていた危険物に引火して突然、爆発が発生。不十分な現場確認が19人の消防隊員の命を奪ったという。

 一方、長岡技術科学大学の門脇敏教授(燃焼工学)は過去の工場火災で付近の住民が煙による健康被害を訴えた事例を挙げ、「鎮火まで建物内に誰も中に入らないことが最も安全だが、許されない状況がある」と消防隊員の立場を代弁する。

逃げ遅れた原因

 工場の爆発は5日午前2時7分に発生した。ただし、4人とは10分間、やり取りが続いていたと…

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