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今週の気持ち

今週の気持ちは「植物の不思議」

 「女・男の気持ち」(2020年7月2~8日、東京・大阪・西部3本社版計21本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版3日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

植物の不思議 名古屋市天白区・山中れい子さん(無職・75歳)

 6月の雨の日、友人が庭に咲いたアジサイの花を持ってきてくれた。27年前、夫と一戸建てに住んでいたころを思い出す。

 朝食後、食堂のガラス戸を開けると、愛犬がいつももの欲しげにしっぽを振ってこちらを見ていた。その先の猫の額ほどの庭に、紫やブルーの大きなアジサイが見えた。「きれいね」という私に、新聞からちょっと目を離した夫はそっけなく「うん」というだけであった。毎年株が増え、雨の日をさわやかな気分にしてくれたものである。

 ところがその後、夫が亡くなって最初の6月は花が咲かなかった。というより、あんなに根を張っていたアジサイが跡形もなくなっていた。そして庭じゅうにドクダミがはびこった。抜いても抜いてもなくならなかった。

 とうとうあきらめてしまったある朝、庭一面のドクダミに真っ白な花が咲いた。緑の葉に白い小さな花がかわいらしく、抜けなくなってしまった。庭の生態系も一変したようで、それまで蒸し暑くなると発生していた蚊が出なくなり、代わりに見たことのなかったヤモリがときどき、窓ガラス越しに姿を現した。生き物嫌いだった私だが、だんだんヤモリもかわいく思えるようになった。

 マンションに移った後は、ベランダで好きな花を少しばかり育てている。ただ、亡夫とともに姿を消したアジサイだけは何となく避けている。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 ここ数カ月は、以前に比べて植物をテーマにした投稿が増えています。桜やアジサイ、朝顔などさまざまで、本日(7月9日)東京朝刊でご紹介した「ネジバナ」もそうです。アジサイと亡きご主人との思い出をつづった山中さんの投稿は、まさに「植物の不思議」。庭の生態系の変化は、山中さん自身の心の動きを写しているようにも見えます。

 ホームセンターでは花や野菜のポット苗が売れたというニュースもありました。コロナ禍で自粛生活が続く中、身近な生あるものに触れ、癒やされる人は少なくなかったようです。同じ理由だと推測していますが、動物にまつわる投稿も増えています。犬、猫などペットの登場は一年中定番なのですが、最近はツバメやシジュウカラ、カルガモ、ホタルなど野生の生き物との出合いも目立ちます。

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