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金言

大統領の片思い=小倉孝保

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 米国の連邦最高裁判所は長年、間借りをしていた。設置からしばらくは、自治体庁舎や連邦議会議事堂を使っていた。判事は議事堂ロビーで昼食をとった。議事堂が焼けた1812年からは一時、個人宅で裁判を開いた。自前の建物を持ったのは1935年。憲法発効から147年後である。

 ただ、当初から自尊心は強く、初代大統領ワシントンから助言を求められた長官は、最高裁は政府の相談役ではないと拒否している。大恐慌(29年)でルーズベルト大統領が進めたニューディール政策について、自由競争を妨げると一部を違憲としたほか、トルーマン大統領が朝鮮戦争中、ストライキで閉鎖された製鉄所を没収しようとした時も、最高裁は違憲判決を出した。恐慌や戦争にあっても、権力におもねらないのだ。

 力の源泉の一つは判事任期の長さである。終身制のため、一旦大統領から指名されると、死亡もしくは自ら退任するまで判事を務める。最長のウィリアム・ダグラスは39年から37年弱、その地位にあった。米国の議員任期は上院6年、下院2年。大統領は任期4年で最長2期。議員(立法)や大統領(行政)がその時々の社会風潮に影響される一方、最高裁の判事(司法)は憲法に基づき信念を貫くことができる。

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