過激派組織「イスラム国」(IS)の研究で知られるイラク人の安全保障専門家、ヒシャム・ハシミさんが7月6日、首都バグダッドの自宅前で暗殺された。ハシミさんは「ISとは何か」を的確に分析し、毎日新聞の取材にもたびたび応じてくれた。イラクでISの内情を対外発信することは、命を危険にさらすことと同義だ。最期まで過激思想と闘い続けたハシミさんに哀悼の意をささげるとともに、その勇気に心から敬意を表したい。
中東での特派員時代、ハシミさんに初めて取材したのは2014年9月だった。イラクで取材協力を受けていた通信員から「ISに詳しい研究者」として紹介を受けた。
ISは14年6月に内戦下のシリアから進出し、イラク北部の第2の都市モスルを電撃的に制圧した。独自の「国家樹立」を宣言して、重要インフラを管理し、徴税や裁判も行っていた。
「なぜ、過激派組織がそんなにもスムーズに統治を敷けるのか」。その問いに対して、ハシミさんは03年…
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