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社説

東京で最多感染者 分析と情報公開が足りぬ

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 東京都で新型コロナウイルスの新規感染者数が240人を超え、過去最多となった。

 都は接待を伴う飲食店で自治体が積極的に検査をしているためだと説明している。不特定多数の人に広がる「市中感染」の状況にはないという判断だ。

 だが、具体的な感染経路の分析や情報公開が不十分で、とても安心できる状況にはない。

 接待を伴う飲食店関連の感染者は約4割というが、集団検査での陽性率や客への広がりは明らかでない。感染対策の有無や、どういう状況で感染したと考えられるかについても説明がない。

 政府や都は、こうした飲食店での感染を強調するが、感染経路不明のケースも4割程度に上る。封じ込め対策が難しく、感染者の急増につながる可能性がある。調査を尽くさなければならない。

 学校や保育所などで、教職員や子どもが感染する例が出てきている。さらに広がることがないよう、対策を点検すべきだ。

 政府は重症化しにくい20~30代が感染者の約8割を占めるため、医療体制は逼迫(ひっぱく)していないという。だが、40~50代の感染が増え始めたというデータが出ている。

 さらに高齢者に感染が拡大しないよう、対策が欠かせない。専門家は、同居の家族や会食を通じて感染が広まる可能性を指摘している。積極的な注意喚起が必要だ。

 感染者が増えると保健所の負担が増す。自治体は、迅速に人員を強化できるよう準備を整えておいてほしい。

 感染者は神奈川県など隣接の3県でも増加し、東京との行き来に起因するものも目立っている。政府は4都県と連携して対策を講じなければならない。

 ただ、政府と都の意思疎通は十分でないようだ。県境を越えた移動制限の必要性についても、すれ違いが表面化した。

 政府は、旅行代金割引など観光支援策の一部を前倒しで22日から実施すると発表した。感染拡大の中で前倒しをするのであれば、ただ安心を強調するだけでなく、理由を丁寧に説明すべきだ。

 再度の緊急事態宣言が必要となる事態を避けるためにも、科学的な分析に基づいた対策を急がなければならない。

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