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(河出書房新社・1760円)
いのちに襟を正す真剣な遊び
ある男が六年前、赴任先の長崎県諫早市の耕作放棄地で「朝だけ農夫」を始める。早朝の一時間だけ働き、自分が食べる一年分の米を作るのだ。それに成功した翌年は「完全人力田植え」に切り替えた。一切の農具を使わず田起こし、代かき、田植え、稲刈り、脱穀まで人力でこなす。弥生時代でも初期にしかなかろう「独り稲作」である。耕運機なら二時間で終わる「田起こし」だけで四十日を要した。それも無事やり遂げると、さらに翌年は狩猟免許を取り、真鴨(まがも)とカルガモを猟銃で撃つ猟師になった。
著者は近藤康太郎、某大新聞社の大分県日田支局長にして編集委員である。「ロック評論家」としても知られる。
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