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女の気持ち

空襲と母 福岡県宗像市・戸丸敦子(社会福祉士・84歳)

 戦後75年の夏。昭和20(1945)年7月1日に熊本市が焼夷(しょうい)弾攻撃を受けた9歳の時のことを鮮明に思い出す。

 その夜、突然照明弾が投下され、昼間のような明るさに驚き慌てている間に、近くまで火の手が迫った。「子供たちだけでも逃がしましょう」と近所のK君のお母さんが半狂乱で駆け込んできた。

 父は単身赴任中。母は一人で家を守ると言い、中1の長兄、国民学校6年の次兄とK君、4年の私とで当てもなく家を出た。川を渡り、真っ暗な住宅地を抜け、郊外へ走った。

 田んぼの小高い丘で一息ついた。疲れた体に油の雨さえ心地よく、遠く市街地の空が赤く染まるのを美しいとさえ思った。「わっ、見て」。兄の声に振り返ると丘の上の学校の玄関が火柱となって燃え上がり、宙に舞って落下するすさまじい光景。怖くて震えた。

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