メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

評判のおしどり夫婦、老人会の元気印… 惜しまれる犠牲者たち 九州豪雨

雨の中、土砂崩れ現場で発見された行方不明者を搬送する警察官や消防隊員ら=熊本県津奈木町福浜で2020年7月11日午後0時14分、矢頭智剛撮影

[PR]

 濁流や土砂が住民の日常を一瞬にして奪った日から1週間がたった。九州豪雨で最初の大雨特別警報が発令された4日に被害が集中した熊本県南部。被災地では日ごとに新たな犠牲者が確認され、11日も捜索現場から遺体が見つかった。「無事でいて」「生きていて」。あの日、川からあふれ出た水や山から崩れ落ちた土砂は、家族や親友の願いをものみこんだ。

仲の良い夫婦「いい人だった。寂しくなる」

国本一さん

 熊本県人吉市下薩摩瀬(しもさつまぜ)町の国本一(はじめ)さん(80)と妻洋子さん(79)は近所でも評判の仲の良さだった。一さんと中学の同級生で町内会長の宮川勝之さん(80)によると、一さんは農業を営み、洋子さんは車椅子生活になってからも野菜の袋詰めなどを手伝っていた。宮川さんは「一さんは夏祭りで司会を引き受けてくれるなど地域の活動に熱心だった」と惜しんだ。国本さん夫妻と約40年親交がある近所の福岡孝志さん(74)は6月下旬に一さんの田植えを手伝ったばかりで「いい人だった。寂しくなる」と語った。【中山敦貴】

グラウンドゴルフで優勝も、元気な78歳女性犠牲に

 熊本県球磨村渡(わたり)の吉川エイ子さん(78)は元気な明るい性格で、グラウンドゴルフが得意だった。老人会主催の大会で優勝することもあったという。近所の氏川カツヨさん(77)は、老人会で村内の温泉に行く時などは行動を共にする親友だった。豪雨前日の3日も共に老人会の健康体操の講座に参加し、帰り際に吉川さんから「(家に咲く)アジサイを持って行っていいよ」と言われたのが最後の会話になった。氏川さんは「残念で残念で涙が出る。いまだに信じられない」と肩を落とした。【平塚裕介、清水晃平】

淋一明さん

母親思いの「優しい兄だった」

 熊本県球磨村一勝地(いっしょうち)の淋(そそぎ)一明さん(51)は、村内の建設会社で働き、月1回は同県山江村の施設で暮らす母親の面会に行っていた。妹の由美さん(49)は「優しい兄だった」と悔やんだ。淋さんの親類で勤務先の社長の松舟正さん(68)によると、淋さんは建設の仕事を3年前に始めたばかりだったが、誠実な仕事ぶりで、同僚からも慕われていたという。4日朝に「今日は水が上がってくるので休ませてほしい」と連絡があったのが最後の会話となった。松舟さんは「まさかとは思ったが……」と絶句した。【平塚裕介】

九州豪雨で亡くなった方々
おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 「うがい薬発言で現場混乱」 大阪府歯科保険医協会が吉村知事に抗議

  2. 新型コロナ 京都の保育士ら、新たに27人感染 府内903人に /京都

  3. 首相会見「官邸職員が記者の腕つかむ」朝日新聞社が抗議 官邸側は否定

  4. ハートマークの数で分類 感染者出たススキノ店舗名 札幌市の内部資料が流出

  5. 大阪・吉村知事のうがい薬使用呼びかけに苦情殺到 府に1日で450件

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです