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余録

エジプトの博物館に古代王国のファラオ…

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 エジプトの博物館に古代王国のファラオ、ペピ1世の像が収蔵されている。政略結婚や官吏登用で権力基盤を固め、遠征と貿易で勢力圏を拡大した。「現存する世界最古の等身大の銅像」と呼ばれる▲4000年以上後の今、米欧の指導者や貿易商の銅像が各地で撤去されている。米国での白人警官による黒人男性暴行死事件を受けて広がった抗議デモの余波である。奴隷制度や植民地支配を進めたというのが理由だ▲「新大陸を発見した」と伝えられたコロンブスの像は先住民虐殺のかどで破壊された。コンゴ民主共和国を「私領地」にしたベルギーの元国王レオポルド2世の騎馬像には抗議の赤ペンキが塗られた▲一方、新たに建立された像もある。ラトビアの首都リガには新型コロナウイルスと闘う医師や看護師をたたえる高さ6メートルの立像がお目見えした。聴診器を首にかけたマスク姿の女性医師が目をつむり、深呼吸するように両手を広げる姿が印象的だ▲「多くの人が、医療従事者のかけがえのなさに初めて気づいた」と作者の彫刻家、アイガルス・ビクシェさん(51)。国際看護師協会によれば世界で推定45万人の医療従事者が新型コロナに感染し、600人以上の看護師が亡くなったという▲2003年のイラク戦争でバグダッドが陥落した際、巨大なフセイン元大統領像に大つちを打ち付けたイラク人男性は後年、祖国の混乱を嘆き、悔やんだ。「なぜ像を倒してしまったんだろう」。像の来し方行く末には、時代の記憶が刻まれる。

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