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女の気持ち

万葉の旅 堺市堺区・渕上経子(無職・76歳)

 コロナ籠もりの整理で万葉学者、犬養孝先生とご一緒した写真が数枚出てきた。結婚までの数年、先生の春秋の万葉の旅に参加した時のものである。飛鳥、吉野、紀の国など万葉の故地で犬養節の朗詠を耳にしながら学ぶ万葉歌は新鮮な驚きに満ちていた。「隠口(こもりく)の泊瀬小国(はつせをくに)によばひせすわが天皇(すめろき)よ」。エッ! 天皇が夜ばい? 農村の妻問婚(つまどいこん)の伝承的な歌であった。あずまうたの東国なまりがなぜか耳に懐かしく響いて……。

 あれから50年ほど、5人の子供を授かった間、いろんなことがあった。家業の行き詰まり、離婚、前後して2人の子供が病気で死に直面。もう1人が世の荒波をまともにかぶり、2年間の引きこもり。そんな時、万葉歌人、山上憶良の「貧窮問答歌」にみる古代庶民の苦しみのさまは、「まだまだ」と私の背を押してくれた。でも今思えば、子供たちの必死にがんばる姿が私の支えであったのだ。まさしく憶良の歌にある「勝れる宝 子に及…

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