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豪雨から1週間過ぎても孤立する集落 「精神的に疲れた」 熊本・芦北町

崩れた土砂に覆われ、雨水が流れる球磨川沿いの道を自宅目指して歩く深田龍之介さん=熊本県芦北町で2020年7月11日、林田奈々撮影

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 熊本県南部に甚大な被害をもたらした九州豪雨。災害は発生から1週間が過ぎたが、県内では11日現在、10集落(283人)が道路の寸断などで車が行き来できず、孤立状態が続いている。その一つ、芦北町白石地区へ取材に向かう途中で、やかんをぶら下げた大きなリュックサックを背負って歩く男性と出会った。

 町役場から東約10キロの白石地区は氾濫した球磨川沿いの山あいの集落だ。国道219号が土砂崩れで寸断され、JR肥薩線も不通となっている。県内10カ所の孤立集落のうち、6カ所が芦北町にある。

 記者が出会った男性は、介護士の深田龍之介さん(26)。買い出しを終え、母ひとえさん(53)と2人で暮らす白石地区の自宅に徒歩で戻る途中だった。深田さんは物資を詰め込んだ背中のリュックのほか、左手に箱入りのカセットコンロ、右手にはコンビニ弁当が4、5個入ったレジ袋やバッグを抱えていた。記者は、弁当の袋を持つのを手伝いながら話を聞かせてもらった。

 深田さん宅の玄関に氾濫した球磨川の濁流が押し寄せてきたのは4日午前5時半ごろ。30分もすると水は膝下の高さになった。2人は公民館へ避難したが、そこにも水が迫り、高台にある地元区長の家に身を寄せた。

孤立した熊本県芦北町白石地区の自宅近くを歩く深田龍之介さん(手前)。建物のシャッターは壊れ、水につかった家財道具が道ばたに運び出されていた=同地区で2020年7月11日、林田奈々撮影

 水が引いた午後、自宅に戻り2晩を2階で過ごした。その後は一時、同県八代市の親類宅に避難したが、8日には道路が寸断された地点に車で戻り、集落まで残り約2キロは土砂崩れ現場などを徒歩で乗り越えて自宅に帰った。

 「やっぱり家が気になる」(ひとえさん)。しかし集落は断水。停電も続き、暗闇に包まれる夜は懐中電灯の明かりで過ごした。ここ数日は鍋に雨水をためて顔を洗い、自衛隊や消防団が届けてくれる飲料水やインスタント食品、深田さんが買ってくる弁当などでしのぐ。

 被災から1週間が過ぎ「精神的に疲れた」というひとえさん。それでも「片付けをしないと」と自分に言い聞かせ、家の中から運び出した泥まみれの家財道具を見つめた。【林田奈々】

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