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Shall・we・バレエ?

頓死と自殺、両様のジゼル=斉藤希史子

ジゼルにふんしたカルロッタ・グリジの版画=薄井憲二バレエ・コレクションより

 「演じる側としては、剣で胸を突く最期に複雑な思いもありました」――。ロマンチック・バレエの金字塔ジゼルを当たり役とした、吉田都の述懐だ。

 愛らしい村娘から透き通るような亡霊への変化を見せるのが浪漫主義。だから「ジゼル」の主人公は第1幕で死なねばならないが、その演出には2通りある。恋人が実は貴族で婚約者もいると知り、生来弱い心臓が止まる「ショック死」と、彼の剣を胸に突き立てる「自殺」だ。吉田の恩師であるピーター・ライトが1841年の初演時の演出を研究し、後者を復活させた。

 第2幕はジゼルの墓がひっそりと建つ森の奥で、生者と死者が交錯する。自死という信仰上の大罪を犯し、墓地への埋葬を許されないと考えれば、この舞台設定もうなずける。「半面、心臓の弱さを強調していた伏線が回収されない」というのが吉田の「複雑な思い」だ。この矛盾を考慮してか、剣を振りかざすものの突いたか否かはぼかし、観客の想像に委ねる演出もある。

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