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九州豪雨・被災者の証言

熊本・球磨村その1 「自分の身は自分で守って」未明の防災無線

大岩さん夫妻が救出された2日後、川のように水が流れる熊本県球磨村神瀬の道路=2020年7月9日午後3時20分、徳野仁子撮影

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 九州豪雨で60人を超える死者が確認されている熊本県。多くの集落が孤立する中、被災地で何が起きていたのか。各地の避難所などで住民らが毎日新聞の記者に語ってくれた証言を集めた。

球磨村神瀬(こうのせ)大岩地区の大岩貞夫さん(81)、ミドリさん(80)夫妻=7月7日救出

 7月4日の午前3時ごろから、電話や電気、水が使えなくなった。外は真っ暗で、川に石がガラガラと流れていく音が聞こえた。午前3時半ごろまで、防災無線で「自分の身は自分で守ってください」などと呼びかけがあった。夜中に流れることはほとんどないので、これはただごとではないと思った。

 集落は一夜にして一変した。平屋の自宅は高い方にあり無事だったが、農機具は流されてしまった。漬物おけに雨水をためて、飲み水は沸騰させて使い、食器洗いにはそのまま使った。残っていたお米や、シイタケや大根の乾き物を食べた。冷蔵庫や冷凍庫が使えなくなり、肉や魚は食べられなかった。隣同士で食べ物を分け合って食べた。集落はやっぱり助け合いです。LEDのライトがあったので、夜はその光をつけた。自宅にいる間は、山の方から流れてくる土砂を一生懸命撤去していた。

 7日に避難所に来てから子供たちと電話ができ、8日は兵庫県から娘が来てくれた。私たちは災害の情報が全然分からなかったが、娘たちの方が地元の人よりもよく知っていて被害の状況を教えてくれた。(熊本県氷川町の避難所で7月8日、一宮俊介取材)

球磨村神瀬(こうのせ)大槻(おおつき)地区の大槻湊(みなと)さん(87)=7月8日救出

 大槻集落は道が土砂崩れなどで壊れていて避難もできない状況だった。集落に行く道はいくつかあるが、どれもだめだった。

 7月4日からの大雨で電気がだめになった。うちはIHコンロだから困った。カセットコンロを使って米を鍋で炊いたり、カップ麺を作ったりしていた。ガスボンベは2本しかなかったからできるだけ消耗しないように米も少し硬いくらいで食べていた。水も止まっていたので、近くの山から出てくる湧き水を使っていた。風呂はこういう時のために用意していた五右衛門風呂に入っていた。ガスボンベもきょう(8日)までになくなったからどうしようと思っていた。夜は電気がなくて真っ暗で、テレビもつかないから災害用ラジオの情報しかなくて不安だった。

 きのう(7日)の夕方に自衛隊のヘリが来る予定だったが、雨で中止になって、きょうの朝に同じ集落の7人を送ってもらった。家は川の近くにあったが、大丈夫だった。しばらく大槻では生活できない。これから人吉市内の高台にある息子夫婦の家に行くつもり。

(熊本県球磨村総合運動公園の「さくらドーム」で7月8日、鈴木拓也取材)

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